サザビーズのオークションで、イタリア、ルネサンス期の画家パルミジャニーノの作品が出品され、52万7千ポンド(約7千700万円)で落札された。天を見上げている聖職者を描いた《聖ヒエロニムス》は、その場の誰もが本物だと信じて疑わなかった。

しかし落札後に専門家らが作品を確認したところ、緑をはじめとした鮮やかな色彩は、パルミジャニーノ死後400年後の20世紀になって発明されたものであることが判明した。

再度科学的に検証が行われ、サザビーズは本作品が偽装であったことを正式に発表し、落札者は全額を返却された。

贋作撲滅に動くサザビーズ

この作品は、美術品収集家のジュリアーノ・ルフィーニ氏が所有していたものだ。ルフィーニ氏の弁護士によると、研究者らがパルミジャニーノの作品《聖ヒエロニムス》は本物だと判定したという。さらにサザビーズのカタログにも、イタリアのパルマ国立美術館が検証し、パルミジャニーノ1530年頃の作品であることを断言したことが記されている。

サザビーズは市場に出回る偽装品撲滅を目指し、美術品を科学的に検証する部署を新たに立ち上げた。

2011年にも贋作疑惑

ルフィーニ氏が美術品偽装の疑いをかけられたのは、今回が初めてではない。2011年に売却された17世紀オランダのフランス・ハルス作とされていた「男性の肖像画」も、2016年には偽装品だということが判明し、サザビーズは返金している。

この絵画にもやはり、20世紀に製造された素材が使われていた。ルネサンス期ドイツの画家ルーカス・クラナッハ作とされる「ヴィーナス」を、リヒテンシュタインの皇太子へ700万ユーロ(約9億円)で売却した。しかし偽装品であることを疑われ、既にフランスの捜査当局が没収して捜査を進めている。

パルミジャニーノの贋作は氷山の一角であり、オークションの陰には更なる秘密が隠れていそうだ。

BY.