スペイン人画家ジョアン・ミロが第二次世界大戦勃発時に作成した絵画が、6月21日ロンドンで競売にかけられ、2,457万ポンド(約35億円)で落札された。

ドイツ陥落の直前に描かれた代表作

今回落札された《女と鳥》は、ミロの代表作である「星座シリーズ」初期の8番目の作品で、フランスにドイツ軍が迫っていたわずか数週間前に描かれたものだ。当時ノルマンディーのヴァレンジュヴィルにひっそりと住んでいたミロは、1940年5月妻と娘を連れ列車に乗ってスペインへ帰国した。星座シリーズはまだ未完ではあったが、ミロはヴァレンジュヴィルに置いていけば戦争によって破壊されてしまうと考え、スペインへ持って帰った。

ミロがヴァレンジュヴィルで描き始め、スペインのパルマ・デ・マヨルカで描き続けた星座シリーズは、合計23作品となり完結した。いずれも38cmx46cmの紙に、ガッシュと油淡彩で描かれている。現在12作品は美術館や団体の所蔵で、残りの作品が人目に触れることはめったにない。

大戦への痛烈な批判

ミロは1920年代、1930年代のアバンギャルドの最先端であった。伝統的な絵画の技術を拒否し、砂や紐などの素材を取り入れた。その後、ヨーロッパが戦争に突入した頃、ミロは星座シリーズの鮮やかな色彩の月、彗星、太陽、鳥、そしてアメーバのような形を描いていた。背景は全て淡い色で塗られており、黒い線の線のコントラストが背景に映えている。

星座シリーズは、戦後アメリカで16作品が展示されて反響を呼んだ。ミロが戦争の前後に描いた作品は大戦の悲劇を痛烈に批判する、哲学的な深さを持った作品と称された。

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