レオナルド・ダ・ヴィンチ研究の大家、オックスフォード大学のマーティン・ケンプ教授が出版した書籍が話題になっている。イタリアの経済学者ジュゼッペ・パッランティとの共著であるこの書籍のタイトルはズバリ『モナ・リザ(Mona Lisa)』

レオナルド関連のニュースは、どんな些細なことも新聞やサイトを賑わすのが常であるが、少し前にはマーティン・ケンプとジュゼッペ・パッランティの研究により、レオナルドの実母の名前が判明したと発表され、欧米では大ニュースになった。2人が発表したところによるとレオナルドの実母の名は、「カテリーナ・ディ・メオ・リッピで」あった。

父の住居が判明

この2人の研究者はさらに6月13日、レオナルド・ダ・ヴィンチの父であるセル・ピエロ・ダ・ヴィンチのフィレンツェにおける住居の位置が判明した、と発表した。

それによると、公証人でフィレンツェの上流階級に属していたセル・ピエロ・ダ・ヴィンチの住居は、ミケランジェロが一時期居を構えており現在は博物館となっている「ブオナローティの家」の近くで、ギベッリーナ通りにあったのだという。

ケンプ教授とパッランティ教授は、レオナルドが生まれたとされるヴィンチ村や、レオナルドの父が仕事をしていたといわれるフィレンツェのありとあらゆる文献を研究し、お互いの専門分野からさまざまな仮説を構築したらしい。

ケンプ教授は美術史が専門だが、パッランティ教授の専門は経済学だ。当時の税制、フィレンツェの経済を支えた毛織物産業の文献からも、レオナルドの家族の実像を探ったというから徹底している。

モナ・リザとレオナルドの関係も

そしてなんと、モナ・リザのモデルといわれる富裕な商人の妻リーザ・ゲラルディーニとその夫フランチェスコ・デル・ジョコンドのあいだに生まれた息子であるピエロ・デル・ジョコンドが、モナ・リザの注文主であり、レオナルドだけではなくその父セル・ピエロ・ダ・ヴィンチとも密接な関係があった、と二人の研究者は断言している。

モナ・リザとレオナルドは、家族ぐるみのつきあいであったというわけだ。

こうした現実的な人物像や当時の人間関係を探っていったからといって、レオナルドの作品への評価が変わるわけではない。しかし、作品を見ながら当時の人々の様子を想像するのはなかなかに愉しい。さらには、小説や映画のネタにはもってこいではないだろうか。

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