ダンテ、ペトラルカと並んでルネサンスの立役者といわれる画家・ジョットだが、その生年は1267年と推測されている。そのため今年は、ジョット生誕750年ということになる。

マルチメディアを駆使したジョットの展示

ヴェネツィアのサンタ・マリア・デッラ・ミゼリコルディア信徒会ではそれを記念して、7月13日から11月5日まで、マルチメディアを駆使したジョットに関する展示会が開催される。

この展示会は、最新の技術を駆使して多岐にわたるプロジェクトを行っている「コーゼ・ベッレ・ディターリア」 の企画である。同企業は2017年はジョット、2018年はカノーヴァ、2019年にはラファエロに関する展示会を企画しているという。

「コーゼ・ベッレ・ディターリア」の狙いは、ジョットの芸術的思考的研究を国際的なレベルで追求し、最新のマルチメディアを武器にして音楽、文学、映像でジョットを体感してみようというものだ。

近代性の先駆け、ジョット

イタリアにおいて特にジョットが愛されるのは、彼が近代性の先駆けとなった人物とみなされているからである。中世の堅苦しい描写から、奥行のある背景、人間性を感じる人物描写の技法を生み出し、美術を近代に向けて舵取りをしたのがジョットとされているのだ。

人間の感情をそのままに、悲しみの涙を流したり歯をむき出しにして怒りをあらわにする人物像を描いたのは、暗黒の中世以降ではジョットが初めてである。

そしてジョットの表現方法は、後世の芸術家に多大な影響を与えた。技術云々は抜きにしても、その優しい色彩や女性像に施された柔らかな表現方法は、見るものに深い感動を与える。

また、ジョットの代表作「スクロヴェーニ礼拝堂」の「マギの礼拝」には、当時のハレー彗星が描かれている。その関連で、1986年に欧州が開発したハレー彗星探知機には「ジョット」と名づけられ、ハレー彗星の調査に大成功をおさめた。

というわけで、ヨーロッパでジョットの名は知らない者がいないほどポピュラーなもので、生誕750周年を記念したこの展示会にも多くの来館者が予想される。

「Magiste Giotto」と名づけられたこの展示会、2018年には日本にも上陸して、東京と京都で開催予定だ。

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