基本情報

モーリス・ユトリロ(1883年12月26日~1955年11月5日)は近代フランスの画家。ユトリロほどボヘミアンの名がふさわしい生涯はなかった。21歳の時、ユトリロはそのころ絵のモデルをしながら独自に絵画を学び画家となっていた母の勧めで絵を描き始めた。22歳で初めて絵を売り、1909年までには名高いサロン・ドートンヌ展に展示するまでになった。1910年までには批評家からかなりの評価を受けており、後期印象派とキュビズムの特徴が一体となった風景画のスタイルを確立した。彼の風景画と白を基調とする街角の風景は成功を収め、全国的名声を得るに至った。1928年にはレジオンドヌール勲章をフランス政府から贈られた。彼は第一次大戦前の前衛と多元論を特徴とする近代美術運動である「パリ派」のパイオニアの一人と考えられている。ユトリロの描く題材の多くは芸術家、作家、詩人などボヘミアンタイプの者たちの「棲み処」であったモントリオール周辺のパリの建物である。ピカソやロートレックなど彼に比べすでに地位を確立していた画家たちと出会ったと思われる彼のお気に入りの酒場「ラパン・アジール」などのいくつかはキャンバスごとに僅かな変化を加えて描かれている。ユトリロは実質的に画家としての訓練を受けていなかったが、その彼の洗練されていない技巧をアヴァンギャルド様式(印象派、キュビズム、前衛派)に次々と適応させて行く偉業を成し遂げ、批評家からの評価も財政的な成果も勝ち得た。

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