基本情報

アンニーバレ・カラッチ(1560年生―1609年没)は17世紀の「忘れ去られた」画家である。彼は物静かで内気な人物で、極端な恋愛遍歴、スキャンダル、暴力的な行動などといった欠点が際立ち、有名な画家達の名前から彼の名が徐々に消し去られる様になった。これまで現代美術の愛好家達は、カラヴァッジオの様な画家によるショッキングな論争や、苦しめる画家たちの闇と苦痛を帯びた絵に魅惑されてきた。

しかし、アンニーバレ・カラッチの絵はより一層バロック様式に影響的であった。彼の画風は前例のない自然主義と綿密さ、生命の客観的なスケッチが革命的であった。

同時代に同じ考えを持っていたカラヴァッジオとは異なったが、アンニーバレはその革命的な写実主義と、古典画・ルネサンス画の理想化された典型とを織り交ぜることに成功した。従ってマニエリスムの幻想と闇・カラヴァッジオとその弟子達による写実主義のちょうど中間を取ったものが、この先駆的な「理想化した写実主義」の画風なのである。

プッサン、ベルニーニ、ルーベンスのような画家らがカラッチの作品を尊敬し、彼のアシスタントや弟子の多くが、ジョヴァンニ・ランフランコやドメニキーノ、グイド・レーニといった資質を兼ね備えた名高い画家になっていった事はカラッチの名誉となった。”

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