基本情報

カルロ・クリヴェッリ(1430年頃~1495年)は後期ゴシック様式の繊細な感受性を保守したイタリアルネッサンス期の画家であり、初期にベネートで過ごしヴィヴァリーニ、スクァルチォーネ、マンテーニャ等の影響を受けたとされている。1458年までにベネートを去り、その後はアンコナで残りの生涯を過ごした。

当時フィレンツェで主流であった自然主義の傾向とは異なり、クリヴェッリは上品でうやうやしい感性を持った国際ゴシック様式で絵画を描いた。都会的な絵画は寓話的で宝石のようであり、青々とした背景と果物や花々、また花づなで描写された装飾的な絵画が特徴的である。またクリヴェッリの絵画は当時のウンブリアと同様の線質を持ち、とても個性的であった。その当時のフィレンツェのジョバンニ・ベッリーニとは違い、『柔らかい』が『はっきり』とした輪郭を描き細部に至るまで注意を払っている。

クリヴェッリが死没すると同時に絵画の人気は落ちていき、ルネッサンス期の芸術史家である、最も素晴らしい画家や彫刻家について語ってきたジョルジョ・ヴァザーリもまた、クリヴェッリについては言及していない。名声は衰えていたが近年のロンドンのナショナルギャラリーにおいてのクリヴェッリの作品の再考により、新たな注目を浴びることとなった。

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