基本情報

ピエロ・ディ・コジモ(1462-1522年)は、ピエロ・ディ・ロレンツォという名前でも知られるイタリアルネッサンス期のフィレンツェ出身の画家である。15世紀後半に描かれた神話的で寓話的な主題の絵画が最も有名であるが、1490年代にフィレンツェを統治した説教者サヴォナローラ(イタリアの宗教的な改革者)の影響下により、元に描いていた宗教的な主題の絵画の制作へ戻り、神話的な主題で絵画を描くことは以降放棄したと話している。

新世紀のルネッサンス盛期の様式はピエロにはほとんど影響を与えず、しばしば奇妙であると言われながらもその独特な雰囲気を作り出すために、ピエロは描く人物を直截的および写実的に描きつづけた。ジョルジョ・ヴァザーリはピエロの描く神話的主題の絵画は、個性的で独特の魅力があると話している。

ピエロは結婚した女性の父親にあたるコジモ・ロゼッリの元で修行し、システィーナ礼拝堂のフレスコ画の制作にも助手として携わった。最も印象的な世俗的作品のいくつかは、カッソーネ(豪華な装飾にメッキを施した婚礼用のチェスト)やエスパリエの頭板にはめ込むための長い『風景』画であり、またカーニバルやお祭りなどの装飾のデザインを手掛けることによって有名になったと言われている。

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