作品概要
《地図》は、画家のジャスパー・ジョーンズによって制作された作品。制作年は?。

規範への挑戦
元来絵画はまず、「その枠の中に収まっている世界を見せる開かれた窓としての役目を果たしている。」こう例えたのはレオン・バティスタ・アルベルティの『絵画論』(1435年)の中でのことだ。この規範は少なくとも19世紀後半にモダニズムが始まるまでは機能していたが、モダニズムは急進的なテクニックを用いて、この規範に襲いかかった。そして本作に表現されるように、現実と幻想の接近はもはや絵画の規範ではなくなってしまっている。
本作の特徴
本作『旗』の意義は、「現実のもの」と「架空のもの」を、ほとんど相容れないくらいまでにはっきりと区別することができた点にある。ジャスパー・ジョーンズ(1930年〜)は土地名を示すステンシル文字(※)を取り入れる一方で、二次元のグラフィック的正確をもつこの情報を、表現主義的な粗雑な筆遣いやコラージュを構成する要素に明確な目的をもって対立させている。そして粗雑な筆遣いとコラージュの構成要素は、この作品を3次元の領域にしっかり根付かせるべく作用しているのだ。本作がここまで私たちを引きつけるのは互いに排他的な領域ーこの場合は二次元と三次元ーを融合させつつも、様々な形の含意を切り離せているからだろう。
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