作品概要

漂白場のあるハールレムの風景》は、画家のヤーコプ・ファン・ロイスダールによって制作された作品。制作年は1670年から1675年で、チューリッヒ美術館に所蔵されている。

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≪漂白場のあるハールレムの風景≫は、オランダ絵画の黄金時代においてもっとも重要な風景画家と言われるヤーコプ・ファン・ロイスダールの油絵である。オランダ絵画の黄金時代の代表作であり、スイスチューリッヒにあるスイス最大規模のコレクションを誇るチューリッヒ美術館にある。

この作品の水平線はほぼ完ぺきに水平に描かれ、とても広い視野でオランダを表現している事が分かる。手前の暗い風景部分では右に土地が盛り上がり、そこから見晴らしの良い風景が広がる。しかし、広範囲を描いている為、空と地平線が交わるところでは実際にそう見えるように、突然風景が見えなくなっている。

ヤーコプ・ファン・ルイスダールのハールレムの見方は商業的である。彼が描く漂白の情景はハールレムの基本産業の一つであり、またその情景を多く描くルイスダールにとっても専門の分野である。ルイスダールの布で仕切る無骨な遠近法は、見る人に別な視点で地上を見るよう促している。この地では水平線と同様、平坦性が一帯を支配しているのである。

土地はとても平坦に、低く描かれている。空と地上の比率も2:1で、漂白の情景がメインでありつつも、それ以上に強調されているのは明るい空と暗い地上のコントラストである。明るさと暗さがとても明確に表現されており、まるで明暗そのものである。ルイスダールはそんなはっきりとした視点から地上がどれだけ低く位置するのかを表している。

作品の中央下の聖バーボ教会は町よりも上部に位置する。水平線の分かれ目を決める象徴として置かれ、教会の尖塔は明るい空を突き刺している。しかし、教会を通して空と繋がりたいという小さな人間の努力は広大で明るい空には全く影響を及ぼしていない。その上の巨大な雲は穏やかにただ圧倒しているのである。

ここで大切なのは、ルイスダールの風景の描き方である。実際の地上より浅くそして幅広く描かれており、その効果により空の占める比率は相殺されるようにも見てとれる。

次に、風景で注目すべきは横に描かれている物よりも高めに描かれている縦の部分である。水平線は地上目線の横への広がりを生み出しているが、縦の細めのラインは上昇下降を思わせる。この効果が空をより高く見せ、地上を押しつけるように見せ、支配しているように見せるのである。

教会は空と地上を繋ぐ些細な存在である。その存在は世俗的で、もしかしたら象徴的存在になりえるかもしれない。しかし、地上の低さが人間の謙虚さを強調しており、みすぼらしい修繕された漂白場がそれをさらに際立たせているのである。ルイスダールのこの作品は空と地上の明暗を表現した作品と言える。

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基本情報・編集情報

  • 画家ヤーコプ・ファン・ロイスダール
  • 作品名漂白場のあるハールレムの風景
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1670年 - 1675年
  • 製作国オランダ
  • 所蔵チューリッヒ美術館 (スイス)
  • 種類油絵
  • 高さ62.2cm
  • 横幅55.2cm
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