作品概要
《エピファニア》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1550年から1553年で、大英博物館に所蔵されている。

《公現祭(エピファニア)》は、およそ1550年から1553年にかけてローマで制作された、ミケランジェロ・ブオナローティによる黒チョークで描かれた実物大のデッサンである。大きさは高さ2.32メートル、幅1.65メートルで、26枚の紙から成る。
描かれた人物
聖母マリアと、彼女の足のあいだに座る幼児キリストが描かれている。マリアの右の大人の男性の姿は、聖ヨセフであると思われ、マリアによって押しのけられているようにみえる。ヨセフの前にいる幼児は、洗礼者ヨハネであり、マリアの左に立っている大人の姿は正体不明である。
背景にはぼんやりと他の者の姿もみえる。デッサンの変化からみられるように、ミケランジェロは、繰り返し人物の姿と構成を変更し続けている。当初は題名の通り、公現祭の3人の王が描かれているとされていたが、現在では、福音書で述べられるキリストの兄弟を描いていると解釈されている。
また、左に立つ正体不明の姿は聖エピファニウスであるという説や、前妻のヨセフの息子なのではないかとする説もある。
逸話
ミケランジェロの伝記作家アスカニオ・コンディヴィは、未完成の絵であるこのデッサンを本の挿絵に使用している。
19世紀、スコットランド人のコレクター、ポルタロックのジョン・マルコムが、このラフ画をわずか11ポンド6ペンスで購入した。1893年にジョン・マルコムが亡くなると、彼の息子ジョン・ウィングフィールド・マルコムがラフ画を大英博物館へ譲渡。2年後に、英国議会は、大英博物館のために彼の残りのコレクションを2万5千ポンドで購入することを可決した。
現在《エピファニア》は、大英博物館の展示室90に展示されている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。