作品概要
《聖ペテロの殉教》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1546年から1550年で、パオリーナ礼拝堂に所蔵されている。

「聖ペテロの殉教」は、およそ1546年から1550年頃、イタリア・ルネサンスの巨匠ミケランジェロ・ブオナローティによって制作されたフレスコ画である。ローマのバチカン市国にあるバチカン宮殿内、パオリーナ礼拝堂に所蔵されている。
「聖ペテロの殉教」は、ミケランジェロが制作した最後のフレスコ画である。ミケランジェロは、ペテロがローマ兵士によって十字架にかけられる瞬間を描写している。ミケランジェロは、痛みと苦しみの描写に注意を傾けて描いている。人々の顔は、はっきりと苦痛に満ちている。
発見された自画像
1541年に、パウロ教皇がミケランジェロに、このフレスコ画を依頼し、パオリーナ礼拝堂で公開された。2009年に修復が完成したこのフレスコ画に、ミケランジェロの自画像と信じられている人物が発見された。フレスコ画の上部、左角に、赤い上着を着て、ブルーのターバンを巻いて立っている人物がミケランジェロである。ブルーのターバンは、髪の毛に埃を入れないために、ルネッサンスの彫刻家がよく巻きつけていたとされる。
学者ウォレスは、フレスコ画に遠近法の表現が加えてられており、ミケランジェロは、それを埋め込むことにより、建築的、環境的な意味をも勘案していると述べている。
しばしば、「聖ペテロの殉教」は「サウルの改宗」と一緒に議論される。主に、ふたつのフレスコ画は一緒に依頼されたというのが理由で、ひとつの絵が、もうひとつの絵の引き立て役として制作されている。
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