作品概要
《レダと白鳥》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1530年から1530年。

《レダと白鳥》が愛し合う姿が描かれているミケランジェロのテンペラ画は、紛失、または、おそらく破棄されている。現在は模写が残されている。
背景
1529年、フェラーラ公アルフォンソ・デステが、彼の宮殿のためにミケランジェロに依頼したものである。1532年にはフランス王家のコレクションとなり、1536年には、フォンテーヌブローに存在した。
この作品のためのミケランジェロのラフ画は、弟子のアントニオ・ミーニに渡され、1533年にミーニが死ぬまで、フランス人のパトロンのための模写にそのラフ画を使っていたため、100年以上残っていた。
レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロの《レダと白鳥》は、フランス王家のコレクションであるとき、失われた。道徳的未亡人、または絵画所有者の相続人によって破棄されたと信じられている。
物語
《レダと白鳥》は、白鳥の姿をした神ゼウスが、レダを誘惑して犯してしまうというギリシャ神話の話で、作品のテーマである。後のギリシャ神話によると、レダは、神ゼウスの子、ポリュデウケースとヘレネーを産み、同時に、スパルタの王、夫テュンダレオースの子、カストールとクリュタイムネーストラーを産んでいる。
ウィリアム・バトラー・イェーツの説によると、クリュタイムネーストラーは、夫テュンダレオースの娘であるが、白鳥(ゼウス)が彼女の母親にしたことに、とても傷ついていたといわれている。諸説によれば、ゼウスは白鳥の姿を借り、夫である王テュンダレオースと共にレダが眠っている晩に、レダを誘惑して犯した。
物語の諸説
幾つかの説では、レダは、子供たちを卵からかえすため、2つ卵を産んだという。他の説では、ヘレネーは、「傲慢なプライド」に苦しむ人間を待ち受ける大災害を擬人化した女神、ネメシスの娘であるともいわれている。
《レダと白鳥》のテーマは、大規模な古代ローマの彫刻では、稀にしかみられず、現代では、レダを表現した古代ローマの彫刻は、ティモセオスの作品といわれている。小さな規模の彫刻では、テラコッタ・オイル・ランプ、指輪、宝石、カメオなどに、寄りかかったり立ったりするポーズの彫刻が残っている。
古代ローマのフルゲンティウス、オウィディウスの文学作品のおかげにより、中世ヨーロッパでは、「レダと白鳥」は、よく知られた神話となり、イタリア・ルネッサンスでは官能的表現を含む古典的なテーマとして、よく取り上げられるようになった。
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