作品概要
《鎖に繋がれた犬のダイナミズム》は、画家のジャコモ・バッラによって制作された作品。制作年は1912年から1921年で、オルブライト=ノックス・アートギャラリーに所蔵されている。

動きの分析
1910年にボッチョーニやセヴェリーニらと共に未来派宣言に署名したバッラが生み出したのは、現代という産業化時代にぴったりのスピードやテクノロジー、ダイナミズムを直接的に表現した、前代未聞の作品だ。
画家が未来派の画家として最も重要な試みを行ったのは、1909年から1916年の間。彼は当時エティエンヌ=ジュール・マレーやエドワード・マイプリッジらによって行われた連続写真撮影を詳しく研究し、視覚面での新たな可能性を探ったのだ。この連続写真のイメージにより、絵画にも初めて「動き」の分析が取り入れられるようになったのである。
動きの強調
動きの分析による計り知れない影響は、本作にも明らかに見られる。信じられないほど多くのラインを描き込むことによって、散歩している犬の動きが鮮やかに強調されている。この作品でのバッラの動きとスピードの描写は、彼がこののち驚くべき構図の抽象作品を生み出すことを暗示している。
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