作品概要

フィレンツェのピエタ》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1547年から1553年で、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂に所蔵されている。

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《フィレンツェのピエタ》は、ミケランジェロ本人の墓に置かれるものとして制作された。

この作品の制作は、彼が70歳を過ぎてからであり、寝起きするのも厭い、一本のろうそくで灯りをともしながら一心に取り組んでいたと伝えられている。また、この作品は誰からの依頼のものではなく、ただ自らの精神と肉体のためだけに制作されたものだとヴァザーリ(Giorgio Vasari)は記している。

構図

この作品には、4つの人物が描写されている。すなわち、十字架から降ろされた受難後の死したキリスト、ニコデモ(又は、アリマテアのヨセフ)、マグダラのマリア及び聖母マリアである。なお、フードを被るニコデモの顔は、ミケランジェロの自画像であると考えられている。

もっとも、フードを被るこの人物が誰であるかということと関わって、この作品全体がどのような場面を表しているかについて争いがある。つまり、この作品がどの場面を描写しているのかによって、フードを被った男性がニコデモなのか、アリマテアのヨセフなのか、又は両者を描いたものなのかが変わってくるということである。

四つの説

まず第一に、キリストが十字架から降ろされる場面(the Deposition)を表現したという説である。そうすると、髭を生やしたヨセフとフードを被ったニコデモの両者を描いているということになる。

第二に、聖母マリアがキリストの死体を抱くピエタの場面(the Pieta)とする説である。この考え方であれば、マグダラのマリアとフードの男性(ニコデモ)はオリジナルの場面にはない、ミケランジェロの創作人物だということになる。

第三に、キリストの埋葬の場面(Entombment)とする説である。こう考えると、フードの男性はヨセフということになり、また、マグダラのマリアの取り乱しているようには見えない表情の説明がつく。

最後に、以上三つの場面を融合したという説である。ただし、そのような表現技法が盛んに用いられていたのは絵画であり、彫刻ではなかった。この作品を取り巻く慣習と伝統から考えると、ピエタの場面を表現し、フードの男性はニコデモということになるだろう。

その他

ミケランジェロは、1555年にこの作品を破壊しようとした。その理由についても諸説ある。一つは、キリストの足が他の者の足と触れ、交差し、重なっているという部分が、その2人の間に性的な関係があることの象徴と捉えられるのを、敬虔なミケランジェロが嫌がったというものである。もう一つは、ニコデモの顔を自画像としたことで政治的・宗教的な誤解を生じさせることに気付いたからだというものである。

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基本情報・編集情報

  • 画家ミケランジェロ・ブオナローティ
  • 作品名フィレンツェのピエタ
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1547年 - 1553年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂 (イタリア)
  • 種類大理石彫刻
  • 高さ不明
  • 横幅不明
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