作品概要
《ケンタウロスの戦い》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1491年から1492年で、ブオナローティ邸に所蔵されている。

《ケンタウロスの戦い》は、ルネサンス期の芸術家ミケランジェロ・ブオナローティの、ロレンツォ・デ・メディチによる後援のもとでの最後の作品である。この作品は、ロレンツォから依頼されたのではなく、後援者のために制作されたものである。
主題の神話
この彫刻のテーマとなっている神話は、ラピテス族(Lapiths)とケンタウロス族(Centaurs)との間に生じた戦いである。ラピテス族の王ピリティスの結婚披露宴で、泥酔していたケンタウロスたちを起こそうとした王妃をケンタウロスたちが突き飛ばしたことがきかっかけで起きた戦争であるが、この戦争は、秩序と混沌、もっといえば市民的なギリシャ人と未開のペルシア人との間の紛争を表すシンボルとされている。
まれに、この作品が未開に対する市民化の優越というテーマをも反映しており、また、肉体にも勝る石刻であると言われることもある。この戦いは古代ギリシャにおいてよく引用された芸術テーマであり、よって、この彫刻は制作当時にあった古代のテーマを再び取り扱おうという風潮を反映した一作品となっている。
技術
この作品を制作するうえで取ったミケランジェロの手法には、「自己変革」とも言うべき技術が見られる。すなわち、身体をねじっている男性に見られるように、肉感のあるように削られているのである。他にも、道具の使い方も革新的であった。
ミケランジェロは、この作品を完成させなかった。彼についての多くの伝記では、この未完がメディチ家の衰退によるものとしているが、現代の伝記作家は、後の作品にも見られる意図的な「未完」作品の一つと位置付けている。
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