作品概要
《奴隷アトラス》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1520年から1523年で、アカデミア美術館に所蔵されている。

《奴隷アトラス》は、1525年から1530年に、ルネサンス期の芸術家ミケランジェロ・ブオナローティによって制作された高さ2.77メートルの大理石像である。この像は、教皇ユリウス二世の霊廟のために作られた、未完の彫刻のシリーズ《囚人たち》の中の像のひとつである。
未完の彫刻性
現在は、フィレンツェにあるアカデミア美術館に所蔵されている。 ミケランジェロの《奴隷像》、または《囚人像》として知られる像は、未完の状態にある有名な4つの像がある。これらには、多くのミケランジェロ作品の特徴である、「ノン・フィニート」(未完の意)と呼ばれる日常的な技法が、作品の随所に表現されている。
学者によれば、未完成の像は、ブロックの石から像を削りだすだけではない、物質から魂を明らかにしていくという、彼の「困難」を象徴する、ミケランジェロと大理石との複雑な関係性を表現している。
奴隷像は、自身の墓廟のために教皇ユリウス二世によって依頼されたが、のちに教皇ユリウス二世は、システィナ礼拝堂を装飾することをミケランジェロに依頼したために気が変わり、彼の死後、甥が経費を節約するために墓廟のプロジェクトを修正した。これは、ミケランジェロがなぜたくさんの像を異なる未完成の状態のままにしたかという理由にもなっている。
立ち上がる奴隷
霊廟のための像は、アカデミア美術館の奴隷像、ほかに、ヴェッキオ宮殿の《勝利》の像があり、もうふたつの奴隷像は、パリのルーブル美術館にある。
《奴隷アトラス》は、ミケランジェロ作のダビデ像より前にあり、部屋の左側に並ぶ最後の像である。その姿勢は、神話の天空を支えるアトラスを思わせる。男は、間違いなく、とてつもない重さを頭の上に抱えている。
調和より、ミケランジェロは、ここに、ふたつの対照的な力(押し下げる石と押し上げる体)を表現している。大理石から自身を開放するために戦っている、他の奴隷とは違い、この奴隷は、大理石から立ち上がろうとしている。
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