作品概要
《キリスト受難の像》は、画家のミケランジェロ・ブオナローティによって制作された作品。制作年は1492年から1493年で、サント・スピリト聖堂に所蔵されている。

作品の生い立ち
ピエロ・ディ・ロレンツォ・デ・メディチによる推薦で、修道病院にて死骸についてを学ぶ機会を得たミケランジェロ。その調査を通じ、人間をありのままに表現する技術を身につけた。感謝の意を表し、サント・スピリト聖堂に滞在中にこの作品を制作。ミケランジェロの初期の作品のなかで、傑作のひとつとされている。
生誕地への帰還
この作品はフランス革命後、長らくサント・スピリト聖堂内の一室に置かれていたが、1962年、ドイツ人の芸術歴史家マルグリット・リスナーによって再び発見。鑑定の後、ミケランジェロによるものであると確認された。
1963年から1964年にかけてフィレンツェ市内のカサ・ブオナロッティにて修復が施され、そのまま展示されていた。しかし、2000年のクリスマス以降は再び、この作品が生まれた場所であるサント・スピリト聖堂のクワイヤに展示されている。
もうひとつの《キリスト受難の像》
《キリスト受難の像》は二つある。2008年にイタリア政府によって購入されたもう一方の像は、多くの芸術歴史家から、ミケランジェロの作品かどうか疑いの目で見られている。マルグリット・リスナーは、ヤーコポ・サンソヴィーノの作品である可能性があると述べている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。