作品概要

蚤をとる女》は、画家のジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって制作された作品。制作年は1638年から不明年で、ロレーヌ博物館に所蔵されている。

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『蚤をとる女』は、フランスの画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって1638年頃に描かれた絵画。フランス・ナンシーのロレーヌ美術館に所蔵されている。

この作品では、女性が爪で蚤をつぶすという日常の一場面が描かれている。ろうそくの光で現実的な明暗のコントラストを描き、驚くべき静寂とあたたかみを生み出すことに成功している。

こういった主題は当時のフランス絵画では避けられたが、ラ・トゥールが親しんだフランドル派の絵画には登場する。この主題自体は17世紀にはよく見られるもので、スペインの画家ムリーリョも1645年頃に「蚤をとる少年」という作品を描いている。しかしこの作品で注目すべきは蚤ではなく、女性の半裸を描いていることだろう。この作品は、ラ・トゥール作品唯一の裸体画(といっても半裸ではあるが)である。

ラ・トゥールが描く多くの女性のように、この作品の女性も体は大きく、お腹は丸くふくらみ、足もすらりとしているとは言い難い。しかし彼女の裸体は下品でも淫靡でもなく、古代の彫刻やルネサンスの絵画で表現される裸の美しさに近いものがある。この写実的とも言える理想の美から離れた描写は、リアルな女性の生活の一場面を切り取ることで、人間の孤独な運命を描き出そうとした画家の意図の表れなのかもしれない。

ろうそくの光の明暗が生み出す静謐な雰囲気を描き出し、感情的表現を限りなく排した本作は、当時の女性の生活の一場面を切り取った傑作と言える。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
  • 作品名蚤をとる女
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1638年 - 不明年
  • 製作国不明
  • 所蔵ロレーヌ博物館 (フランス)
  • 種類キャンバス、油彩
  • 高さ120cm
  • 横幅90cm
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