作品概要
《聖なる炎の前のマグダラのマリア(悔悛するマグダラのマリア)》は、画家のジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって制作された作品。制作年は1640年から不明年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

《聖なる炎の前のあるマグダラのマリア》は、フランスの画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって1640年頃に描かれた絵画。ルーヴル美術館所蔵だが、ロサンゼルス群立美術館にも同じ構図の作品が所蔵されている。別名、悔悛するマグダラのマリア。
制作年代は不確かであるが、1635年から1645年にかけて制作された鏡と共に描かれているマグダラのマリアとの類似から、おそらく1640年代の作品であると考えられている。
マグダラのマリア信仰の背景
17世紀、カトリック諸国ではマグダラのマリア崇拝が盛んとなった。数多くの作品がその証拠となっている。そしてこの流れは、プロヴァンスにマグダラのマリアに関する聖域(サント・ボーム洞窟、サント=マリー=ド=ラ=メール)があったことからより広まることとなった。
ジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールが当時絵を描いていたロレーヌには多くのジプシーがおり、ジプシーがこの作品のモデルとなったと考えられている。
主題
当時イタリアやオランダの画家に人気のあったテーマである「悔悛のマグダラのマリア」や「メランコリー」、「ヴァニタス」といったテーマからインスピレーションを受けて描かれている。ラ・トゥールは上記のテーマに加え、哲学的瞑想の感覚を与えた。モデルは神秘的な闇に包まれ、顔はろうそくの光だけで照らされている。
膝の上には頭蓋骨(ゴルゴタの丘を示すマグダラのマリアのアトリビュート。「ゴルゴタ」とは「頭蓋骨」の意味である)、テーブルの上には本とろうそく、そして血のついた十字架が置かれている。
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