作品概要
《受胎告知(1430年)》は、画家のフラ・アンジェリコによって制作された作品。制作年は1430年から1430年で、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院に所蔵されている。

この絵は、イタリアトスカーナの画家、フラ・アンジェリコの祭壇画である。15世紀前半のフィレンツェを代表する画家であり、本名はグイ-ド・ディ・ピエトロ (Guido di Pietro) (1400-1455)で、フラ・アンジェリコは「修道士アンジェリコ」を意味する通称である。修道士として、「聖者のような」画僧生活をおくったアンジェリコは、宗教的モチーフを題材とした絵画を描く才能に優れていたことから「ベアート・アンジェリコ(福音アンジェリコ)」と呼ばれていた。
『受胎告知』は主イエスの生誕の逸話の中で、大天使ガブリエルが聖母マリアに、神の母になることを告げる場面である。
フラ・アンジェリコの「受胎告知」は、この絵が唯一ではなく、アンジェリコは数多くこのテーマで作品を残している。サンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院に収蔵されているこの画は、彼の3枚の大きなプレートとして作られた二番目の物である。他にはプラド美術館所蔵の「受胎告知」、司教区美術館所蔵の「受胎告知」がある。
プラド美術館所蔵の「受胎告知」は、国際ゴシックの特徴を色濃く残すが、これに比べてこの作品は、より優雅で人間味の溢れる表現となっている。司教区美術館所蔵の「受胎告知」との比較では、最大のポイントは庭の緑、天使の衣の金使いやピンク色、そして、マリアの衣の青と赤など、色彩の豊かに彩られている点である。そして床や壁にも様々な明るい色が施されており、床には繊細な大理石が沈みかえった星空のように描かれている。
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