作品概要
《受胎告知(1440年)》は、画家のフラ・アンジェリコによって制作された作品。制作年は1440年から1450年で、サン・マルコ美術館に所蔵されている。

この絵は、イタリアの画家フラ・アンジェリコのフレスコ壁画である。初期ルネサンス期、コジモ・デ・メディチ時代のフィレンツェで、花形画家として活躍した画家である。本名はグイ-ド・ディ・ピエトロ (Guido di Pietro) (1400-1455)で、フラ・アンジェリコは「修道士アンジェリコ」を意味する通称である。自発的にドミニコ会戒律厳守派の修道院に入り、敬虔で模範的な「聖者のような」画僧生活をおくったといわれている。
『受胎告知』は主イエスの生誕の逸話をテーマにしたものである。前景の左手には、聖胎を告げる大天使ガブリエルを、右手には聖告を貞淑に受け入れる聖母マリアを配している。
フラ・アンジェリコの「受胎告知」は、この絵が唯一ではなく、アンジェリコは数多くこのテーマで作品を残している。代表的な作品には、サンタ・マリア・デレ・グラツィエ修道院所蔵、プラド美術館所蔵、そして司教区美術館(コルトーナ)所蔵などが彼の作品の中で3枚の大きなプレートして知られている。
この「受胎告知」所蔵のサン・マルコ修道院(現サン・マルコ美術館)は、フラ・アンジェリコの美術館として知られるところである。この絵は、そのサン・マルコ修道院の2階の僧房の壁面に描かれている。この主題はアンジェリコにとってお気に入りだったようで、それが理由でこの場所にも「受胎告知」が描かれたと考えられている。特に朝は、左側からさしこむ日の光が神のお告げを際立たせ、その効果をいっそう強調する。絵の下には、「汚れなき聖母マリアのお姿を前にしたら、必ずアヴェ・マリアの祈りをとなえよ」と書かれている。それに従い、このフレスコ画の前では、絵の中の大天使ガブリエルにならって、上品にマリアに挨拶することになっていた。
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