作品概要

大工の聖ヨセフ》は、画家のジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって制作された作品。制作年は1645年から1645年で、ルーヴル美術館に所蔵されている。

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『大工の聖ヨセフ』は、ジョルジュ・ド・ラ・トゥールによって1645年頃に制作された絵画。フランスのルーヴル美術館に所蔵されている。この作品は、幼いキリストと彼の地上の父である聖ヨセフを描いている。多くのラ・トゥール作品と同じように、はっきりとした明暗の対比、作品内にただよう静寂などの特徴が見える。

主題

幼少期のイエス・キリストが、養父である聖ヨセフと共に描かれている。聖ヨセフは木材にきりで穴をあけている。きりの形状は十字架の形を示しており、腰を下ろしている幼いキリストと、彼に交差して床に置かれたその木材の配置はキリストの処刑を予示させる。

聖ヨセフは、T字形のハンドルがついたらせん錐で木に穴を開けている。このらせん錐の形は十字架を暗示しており、床に置かれている木材は座っているキリストと十字型になるように置かれている。これは後の磔刑を予感させる描写である。蝋燭に照らされたキリストの手は光で透けるようであり、爪の汚れが見える程の細かい描写がされている。

作家のジョン・ルパート・マーティン(John Rupert Martin)によると、イエスの忍耐強い様子は、彼の最後の服従と殉教者としての運命に対する受諾を表しているという。

テネブリズム

1645年頃に制作されたこの作品は、ラ・トゥールによるテネブリズムの作品のひとつである。テネブリズムとは、光と闇の強烈なコントラストを用いた絵画技法のことである。この技法の普及者としてイタリアの画家カラヴァッジョが有名である。ラ・トゥールによる他のテネブリズム作品は、「聖母の教育」、「悔い改めるマグダラのマリア」、「聖ヨセフの夢」などがある。

これらすべての作品には、中心にひとつの強い光源があり、周囲は光の届かない闇および光による影で囲まれているという共通点がある。本作では、若いキリストがまるで祝福を授けるように手を上げた格好で描かれている。その肉体を照らす蝋燭の光が、キリストの別名である「世界の光」の寓意として表現されている。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョルジュ・ド・ラ・トゥール
  • 作品名大工の聖ヨセフ
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1645年 - 1645年
  • 製作国不明
  • 所蔵ルーヴル美術館 (フランス)
  • 種類油彩、キャンバス
  • 高さ130cm
  • 横幅100cm
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