作品概要
《ジローラモ・ポッツォの肖像画》は、画家のティントレットによって制作された作品。制作年は1550?年から1550年で、ロイヤル・コレクションに所蔵されている。

『ジローラモ・ポッツォの肖像画』は、イタリアのルネサンス画家、ティントレットが描いた作品である。『ジローラモ・ポッツォの肖像画』には、鑑賞者から見て左側を向いて立っている老人の七分身の肖像が描かれている。老人は、黒色のコートを着ており、コートには茶色のファーと、銀製バックルのついたベルトが付属している。老人はウエストの辺りで、ルビーの指輪をはめた左手に手袋を握っている。自然な形で降ろされた老人の右手は帽子を持っている。モデルとなっている老人は、白髪と白いひげをたくわえている。絵画の右上に『HIERONIMVS PVT…』と書かれた文字から、ジローラモ・ポッツォと判断されている。老人の服装から、裕福な民間人であることが推測されている。
また、老人はジローラモ・ディ・ジョヴァンニ・ポッツォ(もしくは、ダ・ポッツォ)ではないかと考えられている。ジローラモ・ディ・ジョヴァンニ・ポッツォは、ヴェネツィアのサン・ジェレミア教区に住んでいる金細工師であり、1528年1月14日に遺言書を遺している。ジローラモの死亡日に関する記録は残されていないが、ジローラモの娘であるモデスタは、1555年に生まれている。ジローラモは、ティントレットの肖像画のモデルとして、当時の年齢や社会階級は適当であると考えられる。加えて、ジローラモが住んでいた教区は、ヴェネツィアの芸術家の地区のようなものであり、ベルトや指輪の精巧な銀製の飾りは、ジローラモの金細工師という職業を表しているとも考えられる。
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