作品概要
《アーゾラの包囲》は、画家のティントレットによって制作された作品。制作年は1544年から1545年で、ポズナニ国立博物館に所蔵されている。

『アーゾラの包囲』は、『奴隷の奇跡』が制作される少し前の、1544年から1545年の間に、イタリアのルネサンス画家、ティントレットによって制作された作品である。『アーゾラの包囲』は、プライベートコレクション(特定の個人が収集したコレクション)である。
アーゾラは、イタリア共和国ロンバルディア州マントヴァの共同体の一つである。1561年当時、アーゾラがヴェネツィア共和国の一部であった頃、オーストリアの皇帝、マクシミリアン1世の兵隊に包囲されたことがある。しかし、このマクシミリアン1世の兵隊による包囲は失敗に終わっている。
ティントレットは『アーゾラの包囲』の中に、アーゾラの街の歴史に関する、二つの異なるシーンを描いている。画面左側から中央にかけて前面には、マクシミリアン1世の兵隊によって、ヴェネツィアの街のアーゾラが包囲された際に起きた、騎士たちの衝突の様子が描かれている。背景に描かれた砦や、衝突している兵士たちに囲まれる形で、アーゾラの旗が描かれている。画面右側には、ヴェネツィア共和国のドージェ(元首)であった、フランチェスコ・コンタリーニに対して、アーゾラの市民の敬意を表す様子が描かれている。フランチェスコ・コンタリーニは、街の防衛を取り仕切っており、マクシミリアン1世の兵隊を撤退させた。
魅力的で豊かな想像力に溢れた『アーゾラの包囲』は、突撃していく軍隊、大砲部隊、兵隊たちが競り合う様子が仔細に表現されている。また、アースカラーが用いられ、ティントレット特有である大胆な描写がされている。
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