作品概要
《聖母マリアと聖人達(王座に就く聖母子と聖人達)》は、画家のカルロ・クリヴェッリによって制作された作品。制作年は1488?年から1488年で、ベルリン美術館に所蔵されている。

『聖母マリアと聖人達』(『王座に就く聖母子と聖人達』)は、カルロ・クリヴェッリが、晩年の53歳の頃に制作した絵画である。この大きな祭壇作品は、1488年に、イタリアのカメリーノにある教会のために制作依頼されたものである。この絵画は、王座に就く聖母子が描かれており、聖ペトロに鍵を授与する場面が描かれている。一番左側には、アスコリの守護聖人である聖エミディウス、彼の後ろにはアッシジの聖フランチェスコがおり、その横にはカピストラーのの聖ヨハネが描かれている。
彼は、トルコ人の戦士で、旗を手に持ち描かれている。右側には、 司教であるトゥールーズの聖ルイス、マルケ州の聖ヤコブは聖体顕示台を持ち描かれている。キューピッド達や、果物の綱飾り、角のある彫刻的な様式は、イタリア人彫刻家ドナテッロに部分的に基づいた、パドヴァ派の美的感覚を思い起こされる。
カルロは、1457年に姦通していた女の夫である船乗りの復讐を恐れて、彼の故郷であるベネチアから逃げ出した。カルロは、当初クロアチアのダルマチアで制作活動を行っていたが、のちイタリアのマルケ州へと移った。芸術の中心地から遠くはなれて、カルロは、固い可塑性と、線画の鋭さに特徴づけられる、古風で独特の様式を開発した。しかし、同時にカルロの作品は、彼の技量の熟練や、装飾性への喜びを証明している。
カルロの古典的で、写実的な人物像や、左右対称の構図は、ルネサンス期の絵画の伝統的な型にはまっていると言える。しかし、彼の独特な絵画の扱いから、伝統的な型を独自の表現方法へと変化させている。それは、官能的であり、同時に精神的なゴシック様式であるともいえる。
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