作品概要
《セラフィムの栄光の聖母子》は、画家のサンドロ・ボッティチェリによって制作された作品。制作年は1469年から1470年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

《セラフィムの栄光の聖母子》は、イタリア・ルネッサンスの画家サンドロ・ボッティチェリによって、1469年から1470年に制作された絵画である。フィレンツェのウフィツィ美術館に所蔵されている。
ボッティチェリによるいくつかの聖母のパネル絵は、1470年頃から表現の形式が変化しており、印象的な作品が幾つか残っている。聖母のふたつの絵、《セラフィムの栄光の聖母子》と《バラ園の聖母》は、ウフィツィ美術館にある。
図像
《セラフィムの栄光の聖母子》では、絵の全体が記念碑のように、座る姿の人物で表現されている。聖母マリアは、栄光の熾天使に雲の中で崇められている。十字架状の後光のある幼児キリストは、観る者を見つめ、恵み深く手をあげている。ボッティチェリは、母親であるマリアが、彼女の息子、キリストが苦しむであろう受難を百も承知で、腕の中に守るように抱いているというテーマを、敏感にかつ緊張感をもって表現することに成功している。
セラフィムとは
熾天使(セラフィム)は、ユダヤ教やキリスト教における天使の位のひとつである。キリスト教の天使の階層のうち最高ランクにセラフィムは位置し、ユダヤ教の天使の階層のうち、10位のうち5位である。セラフィムは、「イザヤ書」の第6章で、エルサレム神殿に登場し、旧約聖書において、神々しい存在としてこのように描写されている。
「わたしは、主が、高くあげられた玉座に座っているのを見た。そのすそは、神殿を満たしていた。主の上にセラフィムは立っていた。6つの翼を持ち、そのうち2つの翼で顔を隠し、また2つの翼で、足を隠した。そして残りの2つの翼で飛んだ。」
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