作品概要
《ザクロの聖母》は、画家のサンドロ・ボッティチェリによって制作された作品。制作年は1487年から1487?年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

1487年にイタリア・ルネッサンスの巨匠サンドロ・ボッティチェリによって描かれた絵画。イタリアのフィレンツェにあるウフィツィ美術館に所蔵されている。幾つかのコピーがあり、それらは現在、イギリスのロンドン、フランスのリヨン、ドイツのベルリン美術館にある。
絵画の構成
ボッティチェリは、聖母マリア、幼児キリスト、天使を描いた作品を多く制作している。この作品を初期の作品「マニフィカトの聖母」と比較すると、難しい構成を避け、天使を対照的にアレンジしているのは明らかだ。
幼児キリストは手を上げ、聖母マリアの腕のなかで安心して横たわっている。しかし悲しいことに、マリアの顔には憂鬱が浮かび、神の息子が将来見舞われるであろう苦難を予見しているかのように見て取れる。
描かれたキリストの「運命」
タイトルは、聖母マリアの手にある柘榴で説明することができる。柘榴はキリストの受難の象徴、種の多さはキリストの苦難の多さを表している。他にもキリスト行く末を暗示する、多くの象徴的なものが描かれている。まるでキリストの「死」以外何も考えられないような悲しげな顔をする人々。天使たちはバラの花冠とゆりを持ってマリアを崇拝している。
また、ロザリオは聖母マリアへの祈りを繰り返し唱える際に用いる用具で、15世紀に現在よく知られている形になり、急速に普及。左の天使の帯には、祈りの歌のはじめの「アヴェ・マリア、恵みに満ちた方」という言葉が刺繍されている。
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