作品概要
《反逆者たちの懲罰》は、画家のサンドロ・ボッティチェリによって制作された作品。制作年は1481年から1482年で、システィーナ礼拝堂に所蔵されている。

《反逆者たちの懲罰》は、1480年から1482年に、イタリア・ルネッサンスの画家サンドロ・ボッティチェリによって制作されたフレスコ画であり、ローマのシスティーナ礼拝堂に保存されている。
礼拝堂の壁画
1480年10月27日に、ボッティチェッリはフィレンツェの画家たちと共にローマへ向かった。ローマ教皇シクストゥス4世と、当時のフィレンツェの事実上の支配者、ロレンツォ・デ・メディチとの間の和解案としてローマへ呼ばれたのである。フィレンツェの画家たちは、1481年の早くも春に、すでにローマにいたピエトロ・ペルジーノと共にシスティーナ礼拝堂の壁画制作を開始した。
壁画のテーマは、旧約聖書から新約聖書へと続く「モーセの物語」と「キリストの物語」であり、並行して描かれている。一連の壁画は、神の御言葉と、神々しい立法であり、また神は、後継者としてペテロ(ローマ最初の司教)を選んだ。このことは結果として、後の後継者を、ローマ教皇とする由来となった。
ボッティチェッリは、多くの助手に助けられ、3つの場面を描いた。1482年2月17日、礼拝堂の装飾を完成させるための他の場面を含め、ボッティチェッリの契約は改められた。しかし、同じ月の20日に、ボッティチェッリの父が亡くなったため、彼はフィレンツェに戻り、そこにとどまった。
図像
この絵画は、3つのエピソードと、モーゼとアロンに逆らうユダヤ人の反逆者の話を描いている。絵画の右側では、エジプトからの移民で、その苦難に幻滅した反逆者たちが、モーゼに石を投げつけようとしている。
ヨシュア(キリスト)が、モーゼと反逆者達のあいだに立ち、石からモーゼを守ろうとしている。中央には、モーゼと、教皇の王冠をかぶった司祭のアロンによって追い払われる、コラと共謀する反逆者たちが描かれている。左には、大地が裂け、ふたりの共謀者がそこへ沈んでいく。
コラの息子たちは、神の怒りを免れている。この絵画の意図するメッセージは、明確である。教会を超えて、教皇の権威を疑うことは誰にも許されないというものである。教皇権の権力は、当時は、ときに疑いをかけられていた。
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