作品概要

総督レオナルド・ロレダンの肖像》は、画家のジョヴァンニ・ベリーニによって制作された作品。制作年は1501年から?で、ナショナルギャラリーに所蔵されている。

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《総督レオナルド》は画家のジョヴァンニ・ベッリーニにより1501年に作成された、当時ヴェニス共和国を統治していたレオナルド・ロレダンの肖像画である。

構図

当時、新しい総督に就任した際に、その肖像画が描かれることが既に慣例となっていた。ロレダンは、総督の宮殿に既に所蔵されていたベッリーニの絵画を高く評価し、自ら肖像画の制作を依頼した。

中世の肖像画は主に、正面を向いたものは聖人を描く場合に限られており、死する運命にある人間は、その霊的な不完全さを表すために、横向きに描かれた。しかしながら、ルネッサンスにおいては、人間は霊的に不足な存在ではなく、自ら望むならば、人間界と神をより良く理解しようと探求できる存在である、と捉えられるようになり、その肖像画は正面を向いた形で描かれるようになった。

ベッリーニは、このルネッサンス期の移行を良しとして、「総督レオナルド」を若干斜めながらほぼ正面向きの肖像画として描いている。また、ベッリーニは北ヨーロッパの画家の油絵からインスピレーションを得ており、それはこの肖像画の表情や衣装の描き方に表れている。さらに、トスカーナ絵画の空間に関する、錯覚を生む技法を取り入れている。ベッリーニはこの肖像画を、自然な立体的な絵画として描いて、それまでの平面的に描かれている総督の肖像画と異なるものとしている。

本作は、ベリーニの肖像画を代表する作品の1つである。ポプラの板材に油彩で描かれている。

モデルについて

本作のモデルとなった人物は1501年にヴェネツィア元首に就任したレオナルド・ロレダン(1438年-1521年)で、カンブレー同盟戦争を引き起こしたことで知られている。カンブレー同盟戦争とは、イタリア半島における権益を巡ってフランス、教皇国、ヴェネツィア共和国が争った戦争である。

ヴェネチアには州の総督が公的な衣装を纏った肖像画を描く伝統があり、ロレダンもこの伝統に倣いローブと帽子によって正装している。独特の形をした帽子はコルノ(角笛)と呼ばれているものである。胸から上だけを描く肖像画は当時の流行であった。本作は、ロレダンが元首に就任した1501年頃に制作されたとされる。

巧みな技術

この肖像画の最も非凡な局面は、ベネチア様式の影響のもとに描かれた総督の衣装の描写にあり、見るものの視覚だけでなく、その触覚にまで訴える、高度にリアリスティックものとなっている。それはインパトスと呼ばれる、絵具を層状に厚塗りするテクニックによって、まさに描き手の意図したように光を乱反射させることに成功している。

本作は、ベッリーニの光を巧みに扱う技能を示した傑作であり、その地位の高さだけでなく、総督の内面的な人格をも描き出している。

作風

ヴェネチア派の創始者といわれる彼の父であるヤーコポ・ベリーニはゴシック様式を引き継いだ作風だが、息子であるジョヴァンニはマンテーニャなどの影響を受け、父よりもより自然な光の中に人物や風景を描きだすことに成功している。

本作は、そんな彼の円熟期の技術が、顔の皺や表情、衣服の細かな描写に余すところなく発揮されている。細密で硬質な質感は、ヤン・ファン・エイクらフランドル派の影響もまた感じさせる。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョヴァンニ・ベリーニ
  • 作品名総督レオナルド・ロレダンの肖像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1501年 - 不明
  • 製作国不明
  • 所蔵ナショナルギャラリー (イギリス)
  • 種類板に油彩
  • 高さ61cm
  • 横幅45cm
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