作品概要

トマス・クロムウェルの肖像》は、画家のハンス・ホルバインによって制作された作品。制作年は1532年から1534年で、フリック・コレクションに所蔵されている。

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『トマス・クロムウェルの肖像』は、ドイツの画家ハンス・ホルバイン(子)による、イングランドの政治家トマス・クロムウェルの48歳前後の姿を描いた肖像画である。1532年から1534年にかけて制作された。原画は失われており、現在は三つの模写が存在している。ニューヨークのフリック・コレクション(同じくホルバインによる「トマス・モアの肖像」の反対側に飾られている)、ヨークシャーのチチェスター・コンステーブル・コレクション、ロンドンのナショナル・ポートレート・ギャラリーにそれぞれ所蔵されている。フリック・コレクション所蔵のものが、一番質が高いと考えられている。

トマス・クロムウェルは、ロンドン郊外のパトニーで鍛冶屋の息子として生まれた。ウルジー枢機卿の下で力を伸ばし、やがてヘンリー八世の側近となった。

ヘンリー八世は王妃キャサリン・オブ・アラゴンとの婚姻を無効化し、侍女アン・ブーリンとの結婚を望んでいた。王の意志を支持したクロムウェルは議会で主導権を得て改革を果たし、王を離婚させるために教皇庁の支配からイングランドを切り離すことに成功した。クロムウェルはその後ドイツとの関係強化を図り、三人目の妻を亡くした王に対してアン・オブ・クレーヴズとの結婚を進言。

ホルバインに描かせたアンの肖像画を見て気に入った王は、その実物を見て肖像画との違いに激怒した。結局結婚生活は半年しか持たず、クロムウェル失脚の機会を政敵に与えることとなった。クロムウェルは処刑され、ホルバイン自身もこの件で評判を落とし、その地位が回復することはなかった。

本作は、クロムウェルの最盛期にその寵臣としてのイメージを宣伝するために、ホルバインに依頼され制作されたものである。原画はクロムウェルの処刑後、すぐに破壊あるいは売却された可能性が高い。

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基本情報・編集情報

  • 画家ハンス・ホルバイン
  • 作品名トマス・クロムウェルの肖像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1532年 - 1534年
  • 製作国イギリス
  • 所蔵フリック・コレクション (アメリカ)
  • 種類油彩、テンペラ
  • 高さ78.1cm
  • 横幅61.9cm
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