作品概要
《スザンナと長老たち》は、画家のティントレットによって制作された作品。制作年は1555年から1556年で、美術史美術館に所蔵されている。

『スザンナと長老たち』は、ヴェネツィアの画家、ティントレットによって1555年から1556年に描かれた作品である。
ティントレットは、(ジョヴァンニ・バティスタ・ロブスティの息子として生まれたため)ロブスティまたは(ティントレットの作風の激しさから)イル・フリオーソという名でも知られている。
ティントレットは、ヴェネツィアの「黄金時代」として知られる時代に、神聖なものと世俗的なもの、両方を題材に描いていた。
『スザンナと長老たち』は、ダニエル書(旧約聖書の一つ)の、スザンナのエピソードの場面を描いている。
絵には、若い既婚女性スザンナが小さなプールの端に腰かけ、入浴の準備をしている様子が描かれている。スザンナは、彼女の夫の知人である、二人の長老たちに好色な視線を向けられている。好色な長老たちは、スザンナがいる庭にある、薔薇の格子垣の裏側に隠れるように描かれている。長老たちは彼女を見つめつつ、庭の中に一人でいるスザンナを捉える機会を伺っている。
『スザンナと長老たち』は、ティントレットだけでなく、美術史の中で頻繁に描かれている。スザンナのそばには、白い真珠や銀の宝飾、シルクのショール、銀の水差しも描かれている。『スザンナと長老たち』は、ティントレットの傑作の一つだと考えられている。
スザンナの身体は、暗い薔薇の格子垣と暗い水と、巧みな方法で対比されており、三点で三角形を形成している。
やや無理のある、薔薇の格子垣の遠近感の描かれた方は、鑑賞者を場面へと引き込み、背景のアーチを通して、新しい景色が開けており、作品に深みを加えている。
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