作品概要

イエルク・フッガーの肖像》は、画家のジョヴァンニ・ベリーニによって制作された作品。制作年は1474年から?で、ノートン・サイモン美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

《イエルク・フッガーの肖像》は、画家ジョヴァンニ・ベッリーニ による作品である。旧西ドイツ南部シュトゥットガルトとミュンヘンの中間に位置するアウクスブルクの富裕な銀行家一族、ルネサンス期に隆盛を極めたフッガー家の後継者を描いた1474年の作品である。

最初の肖像、新たな技法

フッガー家といえば、わずか3世代でアドリア海から北海、大西洋から東欧までをまたにかけて支配する “商業・金融大帝国” を築いた当時世界屈指の大富豪である。1474年当時、21歳でヴェネツィアに滞在していたイエルクは青い小花で編んだ花冠を戴いており、古代人文科学に勤しむ学徒であることを窺わせている。

この作品でまず特筆すべき点は、イタリア・ルネサンス初期に活躍した最も偉大なヴェネツィア画家、ジョヴァンニ・ベッリーニの作として知られている中で最初の肖像画であること。さらにイタリア人画家がそれまで伝統的な画材であったテンペラの使用をやめ、新たな技法として油彩で描き始めたごく初期の作品のうちの一つに数えられることも注目に値する。

また当時ヴェネツィア絵画の肖像では依然として優勢であった、後期ゴシック美術の堅苦しく様式的な画風から脱却し、客観的なリアリズムが見て取れる。

革新的な絵画

肖像画に描く人物の顔の向きも、古代ローマの貨幣やメダルでおなじみの横顔ではなく斜め前 (three-quarter) を採用している。15世紀当時ヤン・ファン・エイクやハンス・メムリンクに絵画の制作を発注し始めていたイタリアのパトロンたちを通じ、既にイタリアに根を下ろしていた北方ルネサンス、初期フランドル派の影響を偲ばせる。

《イエルク・フッガーの肖像》には、それまでの肖像画の常識を変え、のちにレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロなどイタリアの次の世代を担う画家たちに受け継がれていった、ベッリーニの創造性が芽吹いた瞬間が描き込まれている。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジョヴァンニ・ベリーニ
  • 作品名イエルク・フッガーの肖像
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1474年 - 不明
  • 製作国不明
  • 所蔵ノートン・サイモン美術館 (アメリカ)
  • 種類油彩
  • 高さ26cm
  • 横幅20cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • イエルク・フッガーの肖像の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。