作品概要

メディチ家の聖母》は、画家のロヒール・ファン・デル・ウェイデンによって制作された作品。制作年は1453年から1460年で、シュテーデル美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

この絵を描いたロヒール・ファン・デル・ウェイデンは、1450年にローマへの巡礼の旅から帰国したそのすぐ後、イタリア、フィレンツェの高名な銀行家一族メディチ家から聖母子の祈念像の注文を受けた。

祈念像とは、物語表現を含まないキリストや聖人の画像で、敬虔なキリスト教徒がそれを通して神に祈るためのものである。

珍しい形式

この絵はイタリアでは一般的であったが北方では珍しい「聖会話図」の形式で描かれている。「聖会話図」とは、聖母子を中心に複数の聖人が並び、各々様々な仕草をしつつ敬虔な会話を行なっているように描かれる、キリスト教絵画の一形式である。この絵ではやはり聖母子を中心に、向かって右に聖コスマスと聖ダミアヌス、左に聖ペテロと洗礼者ヨハネが配されている。

聖コスマスと聖ダミアヌスは双子の聖人で、医者の守護聖人である。メディチ家は当時、銀行家として全ヨーロッパで名を馳せていたが、最初は薬商人として出発したため、一族の守護聖人として特に彼らの間で崇敬されていた。

メディチ家の図像

また聖ペテロと洗礼者ヨハネはメディチ家の偉大なメンバーであったピエロ・デ・メディチとジョバンニ・デ・メディチの名前の守護聖人(ペテロはイタリア語でピエロ、ヨハネはイタリア語でジョバンニ)であった。これらの理由からここ4人の聖人が選ばれたと考えられる。中心に描かれた聖母子は、白い布で作られた天蓋の下に立ち、その天蓋を二人の天使が恭しく広げている。

聖母の足元には金属製の花瓶に活けられた百合がある。白百合は聖母マリアの純潔の象徴であり、同時にフィレンツェの紋章でもある。それを強調するためだろうか、百合の花瓶の下にはフィレンツェの紋章も描かれている。
ネーデルラントの画家ロヒールに、アルプスの彼方のフィレンツェからメディチ家が絵画の制作を委嘱したことからも、当時この画家の名声がいかに高かったかが図り知れるだろう。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
  • 作品名メディチ家の聖母
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1453年 - 1460年
  • 製作国ベルギー
  • 所蔵シュテーデル美術館 (ドイツ)
  • 種類板、油彩
  • 高さ53.1cm
  • 横幅37.5cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • メディチ家の聖母の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。