作品概要

聖母子を描く聖ルカ》は、画家のロヒール・ファン・デル・ウェイデンによって制作された作品。制作年は1435年から1440年で、ボストン美術館に所蔵されている。

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《聖母子を描く聖ルカ》は、アメリカ国内に所蔵されるネーデルラント絵画のなかで、最も重要な作品の一つ。描かれているのは聖ルカが聖母子を前に、肖像絵を描いている場面だ。

初めて聖母を描いた人物

聖ルカは聖書の四福音書のうち「ルカによる福音書」の作者で、キリストと同時代に生きた人物と言われている。伝説によると、聖ルカはシリアのアンティオキア出身で、医者であった。

また、初めて聖母を描いた人物とされており、中世には画家ギルドの守護聖人として崇敬されていた。そのため、聖ルカが聖母を描く場面は画家たちに好んで描かれていた。

「ロランの聖母」の影響

ロヒール・ファン・デル・ウェイデンの作品のなかでも《聖母子を描く聖ルカ》は、プラド美術館にある「十字架降下」と同じく、堅固で壮大さを感じさせる人物描写に秀でた作品だ。だが、抑えられた色調は「十字架降下」とは異なり、ヤン・ファン・アイクを思わせる。

この作品はファン・アイクの「ロランの聖母」(1435年ごろ、ルーヴル美術館)を意識して描いたものと言われている。人物の服の色、光の扱い方、全体の構図などがとてもよく似ているからだ。

ロヒールはファン・アイクの《ロランの聖母》を直接、それもファン・アイクの工房で注文主である宰相ロランに引き渡される前に見たに違いない。なぜなら《ロランの聖母》はロランが個人的に鑑賞するために制作されたからだ。

新たな伝統を確立

しかしロヒールは単にファン・アイクを模倣をしたわけではない。彼はこの《聖母を描く聖ルカ》というテーマに新しい伝統を確立したのだ。

それは、絵の具ではなく銀筆で素描するルカの姿。これにより、同時代の画家の姿をそのまま聖ルカに置き換え、絵画芸術の精神的価値の高さを強調したのである。

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基本情報・編集情報

  • 画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
  • 作品名聖母子を描く聖ルカ
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1435年 - 1440年
  • 製作国ベルギー
  • 所蔵ボストン美術館 (アメリカ)
  • 種類板、テンペラ
  • 高さ137.5cm
  • 横幅110.8cm
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