作品概要
《サンセッティ礼拝堂の祭壇壁画》は、画家のドメニコ・ギルランダイオによって制作された作品。制作年は1479年から1485年で、サンセッティ礼拝堂に所蔵されている。

アッシジのフランチェスコは、フランシスコ会の創設者として知られるカトリック修道士であった。また、フランシスコ会は托鉢修道会と呼ばれた。
(フランシスコ会の修道士は、居住する家屋も食物も、全てを他者からの喜捨に頼る、こじきのような生活の仕方であったため)
アッシジのフランチェスコは、イタリアのフレンツェのサンタ・トリニタ教会にある、サンセッティ礼拝堂の装飾を依頼した、フランチェスコ・サセッティの守護聖人であった。
礼拝堂の入り口に面する、祭壇の壁の頂上にあるルネット(壁面の半円形の部分を指す。開口部(窓)になっている場合もある)には、ホノリウス3世(ローマ教皇)による、アッシジのフランチェスコの会則の認可式の様子が描かれている。
(アッシジのフランチェスコは、1223年に新たな会則を起草し、ホノリウス3世がこれを認可しており、この会則は「公認された会則」と呼ばれている。)
認可の場面の背景に描かれているのはフレンツェである。シニョリーア広場、ヴェッキオ宮殿、ロッジア・ディ・ランツィが、歴史的な行事が行われてきた、ローマの代わりに描かれている。
この認可式の様子が描かれたフレスコ画の右隅には、アントニオ・プッチやロレンツォ・デ・メディチ、フランチェスコ・サセッティ、フェデリコ・サセッティの肖像画がある、
認可式のフレスコ画の下部分には、ロレンツォ・デ・メディチの三人の息子たち、ロレンツォ・デ・メディチ、禿頭で僧服を着た男が、階段へ連なっている様子が描かれている。
アッシジのフランチェスコの奇跡である、宮殿の窓から落ちた、公証人の息子の復活の様子は、認可式の様子の下に描かれている。
子どもは死の床から起き上がり、その様子をアッシジのフランチェスコは、絵の上部に描かれたマンドラから祝福している。
復活の様子の下には、キリストの生誕と羊飼いたちの礼拝の様子を、中央のパネルの中に見ることができる。
パネルの右側には、フランチェスコ・サセッティが、左側には彼の妻が、両者とも祈りを捧げ跪いている様子で描かれている。
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