作品概要

キリストの鞭打ち》は、画家のピエロ・デラ・フランチェスカによって制作された作品。制作年は1455年から1460年で、マルケ美術館に所蔵されている。

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『キリストの鞭打ち』は、イタリアの画家ピエロ・デラ・フランチェスカによる絵画で、おそらく1455年から1460年にかけて制作された。ウルビーノのマルケ美術館に所蔵されている。

「謎めいた小さな絵画」と評されるほどの複雑で珍しい構図を持っており、その解釈はさまざまな議論の対象となっている。美術評論家のケネス・クラークは、「世界で最も偉大な小さい絵画」という言葉でこの作品を評価している。

この作品はキリストの受難、ローマ人による鞭打ちを主題に描かれている。だがその出来事は作品内の左側、やや奥まった場所で展開されており、右側前景の三人の人物は、背後の出来事に全く注意を払っていないように見える。この作品は、遠近法を駆使して人物の位置による大きさなどを正確に描いていることや、作品内に広がる静かな雰囲気などにおいて非常に高い評価を得ている。左奥で腰かけているローマ総督ピラトの足元に、「サンセポルクロ村のピエロの作品」という署名が書かれている。

この作品に関する議論の多くは、前景にいる三人の人物が誰なのか、という点にある。従来の解釈によると、中央にいるのはウルビーノ公オッダントーニオ・ダ・モンテフェルトロ、両側にいるのはその家臣であるマンフレド・デイ・ピオとトマソ・ディ・グイドである。三人は、その悪政のために1444年、ウルビーノ市民によって殺害されている。この作品はおそらく、異母弟オッダントーニオの後を継いだフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロによって依頼された。

別の解釈としては、左右の二人はオッダントーニオ殺害の実行者であるウルビーノ市民であるというものもある。しかしこの説に反する事実として、フェデリーコとウルビーノ市民の間に交わされた書面の「オッダントーニオの事件は誰も思い出すことはない、誰も罰せられない」という言葉があること、さらにオッダントーニオの死体が無名の墓に埋葬されたことなどがある。オッダントーニオに捧げられた絵だと考えると、それはウルビーノ市民への裏切りを意味することになる。

もう一つの解釈として、依頼者フェデリーコの前任者を描いたものという説がある。根拠として、ウルビーノ大聖堂の18世紀の目録に、「イエス・キリストの鞭打ち、グイドバルドとオッダントーニオの肖像」と記されていることがある。しかしグイドバルドは1472年に生まれたフェデリーコの息子であることから、これは間違いである。その代わり、右側の人物はオッダントーニオとフェデリーコの父、 グイダントーニオなのかもしれない。

この三人が一体誰であるのか、その謎ははっきりとは解明されていない。だがその謎自体がこの作品の持つ不思議な魅力を底上げしていることも事実であろう。一度見たら容易に忘れることのできない、「偉大な小さい絵画」である。

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基本情報・編集情報

  • 画家ピエロ・デラ・フランチェスカ
  • 作品名キリストの鞭打ち
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1455年 - 1460年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵マルケ美術館 (イタリア)
  • 種類油彩、テンペラ
  • 高さ58.4cm
  • 横幅81.5cm
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