作品概要
《キリストの生誕に立ち会う聖エリザベスと幼き聖ヨハネ》は、画家のコレッジョによって制作された作品。制作年は1512年から1513年で、ブレラ美術館に所蔵されている。

この作品が描かれたのは1512年から1513年の間であると言われているが、どこで描かれたのか、そして誰のために描かれたのかについてはよくわかっていない。この絵の辿ってきた道は他の絵画とは違う数奇なものである。
17世紀の間はルドヴィージ卿の大コレクションの中の一つであったが、その後アンティーク絵画として骨董店で取引されるようになる。最終的にはフランスのパリで開かれたオークションで落札され、イタリア人実業家のクリストフォーロ・ベニーノ・クレスピーのコレクションに加わることとなった。1913年のことである。
こうして買い取られたこの絵は、その時からブレラ美術館のエントランスを飾ることとなった。
この絵には、それまでの数々の傑作からインスピレーションを受けたと考えられる部分が多く存在する。例えばその暗く落ち着いたトーンには、ゴシック期からルネサンス期にかけて活躍したアンドレア・マンテーニャやレオナルド・ダヴィンチの影響が指摘されている。
一方でこの絵にはコレッジョと同時代を生きた画家の影響もうかがうことができ、彼らから効果的な画面構成の方法と聖母マリアの慈愛に満ちた表現を学んでいたとされている。
幼き聖ヨハネは母に抱かれてイエスと顔を合わせている。祭司の家に生まれたヨハネはのちにイエスを洗礼する役目を担い、イエスの宗教家としての活躍に重要な役目を果たすこととなる。ほぼ同時期に生まれた聖ヨハネは、ヘロデ王により彼が殉教してからもイエスの賞賛の的となっていた。
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