作品概要
《女性の肖像(ハンティントン・ライブラリー)》は、画家のドメニコ・ギルランダイオによって制作された作品。制作年は1490?年から1490年で、ハンティントン・ライブラリーに所蔵されている。

『女性の肖像』は、ルネサンスのイタリア人画家、ドメニコ・ギルランダイオによって、テンペラ技法を用いて描かれた作品である。現在は、アメリカ合衆国のカリフォルニア州、サン・マリノに位置する教育研究機関である、ハンティントン・ライブラリーに所蔵されている。
『女性の肖像』は色々な意味で、ジョヴァンナ・トルナブオーニの横顔を描いた、記念的な肖像を思い起こさせる。『女性の肖像』には、シンプルなドレスを着て、ヘアカバー(髪を覆う布)を着用した女性が描かれている。その背景には、おそらく祈祷書だと思われる開きかけの本と、数珠状の祈りの用具、宝石で飾られたブローチが、飾り戸棚に置かれた状態で描かれている。絵の中に描かれたこれらの被写体は、ジョヴァンナが高貴な身分であったことと、敬虔なクリスチャンであったことを象徴している。
(同じくドメニコ作の『ジョヴァンナ・トルナブオーニ』と、描写が酷似している。)
フラスコグラスは、彼女の純真さを表しているのかもしれない。背景の左側にある、斑岩でできた二つの柱は、おそらく彼女の我慢強さと貞節を象徴する役割を果たしている。我慢強さと貞節は、妻として望ましい性質である。(ジョヴァンナは、ロレンツォ・トルナブオーニの妻であった。)
背景に描かれた被写体も象徴的であるが、描かれている女性自体も、彼女自身を象徴しており、『女性の肖像』は、『ジョヴァンナ・トルナブオーニ』のように、ジョヴァンナの死を記念して描かれた可能性がある。
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