作品概要
《エリザベト訪問(トルナブオーニ礼拝堂)》は、画家のドメニコ・ギルランダイオによって制作された作品。制作年は1486年から1490年で、トルナブオーニ礼拝堂に所蔵されている。

『エリザベト訪問』は、ルネサンスのイタリア人画家、ドメニコ・ギルランダイオによって描かれた作品である。『エリザベト訪問』は、トルナブオーニ礼拝堂の右側に描かれた、フレスコ壁画である。
『エリザベト訪問』では、15世紀の風景画の中で、聖母マリア(キリストの母)とエリザベト(洗礼者ヨハネの母)が、女性の観衆の前で抱擁を交わす姿が描かれている。
画面の右端には、15世紀の服を着た三人の女性がいる。三人の女性の中でも、先頭に立った豪華なドレス姿の若い女性は、ジョヴァンナ・デッリ・ アルビッツィである。
ジョヴァンナは、ロレンツォ・トルナブオーニの妻である。ロレンツォの父である、ジョヴァンニ・トルナブオーニ(ジョヴァンナにとっての義理の父)が、『エリザベト訪問』の制作をドメニコに依頼した。『エリザベト訪問』は、ジョヴァンナが1488年に出産が原因で亡くなって以来、ジョヴァンナへの追悼の役割を為している。
(ドメニコは、『ジョヴァンナ・トルナブオーニ』に、ジョヴァンナ・デッリ・ アルビッツィの肖像画も手掛けている。)
右端の建物の壁には、神話の光景が彫られている。一方では、絵の鑑賞者に対して背を向ける形で、壁から身を乗り出している二人が描かれており、この表現方法は、ヤン・ファン・エイク作の『聖母を描く聖ルカ』から拝借している。(ヤン・ファン・エイク作の『聖母を描く聖ルカ』でも、鑑賞者に対して背を向け、橋にもたれかかる二人の人物が遠景に描かれている。)
『エリザベト訪問』が、古典美術とオランダ美術から刺激を受けていることは明らかである。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。