作品概要

聖ゲオルギオスとドラゴン(1425年)》は、画家のパオロ・ウッチェッロによって制作された作品。制作年は1423年から1425年で、メルボルン ビクトリア国立美術館に所蔵されている。

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パオロ・ウッチェッロが生涯に残した3枚の「聖ゲオルギオスとドラゴン」のうちの一枚で、現在はメルボルンにあるビクトリア国立美術館が所蔵している。

この作品が世に登場したのは、1860年。クリスティーズのオークションにかけられスコットランドに渡ったが、1949年にオーストラリアはメルボルンの同美術館が作品を購入した。

その画風は、パオロ・ウッチェッロの師匠ロレンツォ・ギベルティが制作したフィレンツェの「サン・ロレンツォ礼拝堂」の扉の彫刻の影響を受けていると言われている。徒弟時代のパオロ・ウッチェッロが、ギベルティの製作工程を補助していた可能性も否定できない。

「聖ゲオルギオスとドラゴン」と名づけられたほかの二枚の作品は、ロンドンのナショナル・ギャラリーとパリのジャックマール=アンドレ美術館に存在している。この2枚が、遠近法を駆使して広々と奥行のある作品であるのに対し、メルボルンにある同テーマの作品は、作品下部でドラゴンと聖ゲオルギウスが重なり合うように描かれている。聖ゲオルギオスは馬から下り、ドラゴンにとどめの一発を刺そうとしているその瞬間である。地面には、刀が一本落ちて、荒れ狂う馬の足下に、ドラゴンに生け贄に供されかかっていた姫君がひざまづいている。聖ゲオルギオスは、固い甲冑に身を包みロボットのように見える上、姫君の肌は青黒い。

聖人とドラゴンの決闘シーンの後ろには中世の街並みがあり、おとぎ話の街のように青色と赤色で塗られている。その街並みには、ウッチェッロが得意とした遠近法の技法が見られないのに、地面に転がった刀と、聖ゲオルギオスが手にしている短刀には、遠近法の技量を充分に見ることができる。街の上には、黄金を背景にした神が祝福のポーズで描かれている。

全体のトーンはまだまだ中世のものであり、パオロ・ウッチェッロのキャリアも初期の作品といわれるゆえんである。推定では、パオロ・ウッチェッロが20代半ばのころに描いたとされている。

また背景に描かれたごつごつとした岩場も、ルネサンスというよりビザンチン様式の影響を強く感じるもので、画風をいっそう中世風にしている原因となっている。

一方、馬を彩る同色のグラディエーションの技法は、パオロ・ウッチェッロやベアート・アンジェリコの時代に発展したもののひとつである。

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基本情報・編集情報

  • 画家パオロ・ウッチェッロ
  • 作品名聖ゲオルギオスとドラゴン(1425年)
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1423年 - 1425年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵メルボルン ビクトリア国立美術館 (オーストラリア)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ62,2cm
  • 横幅38,8cm
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