作品概要
《聖女フィーナに死の告知をする大聖グレゴリウス》は、画家のドメニコ・ギルランダイオによって制作された作品。制作年は1477年から1478年で、聖堂参事会聖堂に所蔵されている。

『聖女フィーナに死の告知をする大聖グレゴリウス』は、ルネサンスのイタリア人画家、ドメニコ・ギルランダイオによって描かれた、フレスコ画である。
聖女フィーナはサン・ジミニャーノの守護聖人である。聖女フィーナは貧しい家庭に生まれ、禁欲的な生活に身を捧げた。聖女フィーナは10歳の時、病床についた。それから1253年3月12日(大聖グレゴリウスが亡くなった日もまた、3月12日である)までの5年間、自らに課した苦難に耐えた。言い伝えによると、聖女フィーナが死ぬ前に、大聖グレゴリウスが彼女の前に姿を現し、彼女が間もなく死を迎えることを告げたとされている。
『聖女フィーナに死の告知をする大聖グレゴリウス』で聖女フィーナは、病床の間ベッドとして自ら選び使用していた、オーク材の板の上に横たわりながら、愛らしい幼児たちで囲まれたマンドルラの中を漂っている、大聖グレゴリウスの姿を見ている。(マンドルラとは、中世キリスト教美術において、復活したキリストを囲む光のような、二つの円が交わってできた中心のアーモンド形のことである。聖なるものの象徴とされている。)聖女フィーナは、病気により体が麻痺した状態にも関わらず、祈りと感謝のために手を上げている。
『聖女フィーナに死の告知をする大聖グレゴリウス』には、聖女フィーナの他の言い伝えにも触れている。たとえば、机やベッドの下のネズミが描かれているが、聖女フィーナが病床の間、ネズミは彼女の肉を齧っていたと言われている。
ネズミに加えて、聖女フィーナのベッドには花が描かれているが、奇跡的なことに彼女の死体の下には花が咲いたとも言われている。
また、『聖女フィーナに死の告知をする大聖グレゴリウス』には、二人の女性が描かれている。椅子に座っている女性は、聖女フィーナの母の死後、聖女フィーナを世話したボナベンチュラであり、もう一人は、大聖グレゴリウスの聖女フィーナへの死の宣告後、8日間聖女フィーナの頭部を支えたベルディアである。
二人の女性は、大聖グレゴリウスが訪れる前(聖女フィーナの生前)と、その後(聖女フィーナの死後)に関連している。
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