作品概要

十字架上のキリストと悲しむ人々》は、画家のパオロ・ウッチェッロによって制作された作品。制作年は1420年から1423年で、個人コレクションに所蔵されている。

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名前も知られていない個人コレクションのひとつであるパオロ・ウッチェッロの「十字架上のキリストと悲しむ人々」は、著名な美術批評家であったフェデリーコ・ゼーリがその存在をかぎつけ、同じく美術批評家のルチアーノ・ベッロージが所有者に直談判し調査した結果、この作品は若き日のパオロ・ウッチェッリのものと認められた。

十字架上のキリストは痩せこけており、その足下には嘆き悲しむ聖母マリアと聖ヨハネが描かれている。

キリストの脇には、釘を打たれた手と胸から流れるキリストの血を皿に受ける天使がいる、という珍しい構図になっている。

聖母マリアと聖ヨハネの衣装や天使には後期ゴシックの影響が色濃く残るものの、嘆き悲しむ人々や天使、苦悩するイエス・キリストの表情はすでに1400年代のものであり、同時代にマッサッチョがフィレンツェのサンタ・マリア・デル・カルミネ大聖堂内のブランカッチ礼拝堂に描いた「楽園追放」の人物表現を思い起こさせる。

金箔が施された聖人たちの光輪は、オックスフォードにある「受胎告知」と同様の技術で描かれており、イエス・キリストの腰に巻き付く布のうねりは、メルボルンにある「聖ゲオルギオスとドラゴン」に用いた技法と同じである。

また、うなじを見せる聖ヨハネや天使の髪型も、ウッチェッロがよく描いた典型的な人物像である。

聖母マリアと聖ヨハネが上半身のみしか描かれないという実験的な構図により、イエス・キリストの十字架が鑑賞者により大きく迫ってくる効果をもたらしている。遠近法の研究に一生を費やしたウッチェッロの執念がかいま見える作品である。

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基本情報・編集情報

  • 画家パオロ・ウッチェッロ
  • 作品名十字架上のキリストと悲しむ人々
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1420年 - 1423年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵個人コレクション (不明)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ60,5cm
  • 横幅33,5cm
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