作品概要
《シュトゥパハの聖母子》は、画家のマティアス・グリューネヴァルトによって制作された作品。制作年は1514年から1519年で、バート・メルゲントハイムの聖母マリア戴冠教会に所蔵されている。

『シュトゥパハの聖母子』はマティアス・グリューネヴァルトによって1514年から1519年に描かれた聖母子像。現在はバート・メルゲントハイム近郊のシュトゥパハにある聖母マリア戴冠教会にある。 イーゼンハイムの祭壇画と並ぶグリューネヴァルトの主要作品の一つである。
戸外に座る聖母マリアが幼子イエスを膝に抱くという、「謙遜の聖母子」像として描かれている。元々は「聖母の雪の奇蹟の祭壇画」と呼ばれる、本作を中央パネルに配した祭壇画の一部であった。右パネルの『ローマのサンタ・マリア・マジョーレ聖堂建立の奇蹟』はアウグスティヌス美術館が所蔵。左パネルの作品は消失している。
『イーゼンハイムの祭壇画』第二面にあるイエス生誕のシーンで描かれていた聖母子とは聖母マリアのポーズや顔など類似点が多々見られる。聖母マリアの透き通るように美しい白い肌と、幼子イエスを見つめる慈愛のまなざしは柔らかく印象的だ。マリアを見返す幼子イエスの表情も、幸福に満ちている。
写実的に描かれた背景が特徴的である。マリアの頭上に輝く虹は、父なる神との契約を表している。オリーブの木は神と人間の和解を象徴しており、また神の教えがオリーブの木の枝のように広がることを表してもいる。聖母子の左側にある器にはロザリオが入っているのが見える。花瓶に活けられた聖母マリアの象徴である白百合などは、まさに目の前に置かれているように細部までリアルに描かれている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。