作品概要

聖ゲオルギオスとドラゴン》は、画家のパオロ・ウッチェッロによって制作された作品。制作年は1456年から1456年で、ロンドン・ナショナルギャラリーに所蔵されている。

詳細な画像を見る

生涯、遠近法を愛しこだわり続けた15世紀を代表するフィレンツェの画家パオロ・ウッチェッロ。彼が60才の頃に描いたと伝えられるのが、「聖ゲオルギオスとドラゴン」である。高さ53センチ、横幅73センチの傑作は、現在はロンドン・ナショナルギャラリーが所蔵している。キャンバスは、15世紀のヴェネツィアで普及をしたが、パオロ・ウッチェッリの「聖ゲオルギオスとドラゴン」は、フィレンツェの画家のキャンバス作品としては最も古いもののひとつにあげられる。

中世の時代、ドラゴン退治の伝説をもつ聖ゲオルギオスは、「善」と「悪」の象徴としてよく描かれ、騎士たちの信仰を集めた聖人であった。ドラゴンに、生け贄として差し出された王女を助け出すというドラマチックな伝説も、人気の理由であった。

パオロ・ウッチェッロの作品では、馬上の聖ゲオルギオスが槍でドラゴンの鼻面を貫いている。不思議なことに、このドラゴンは王女が持つ綱につながれている。ドラゴンの背後には洞窟が、聖ゲオルギオスの背後には彼の戦闘的な活力を象徴する「渦巻く雲」が描かれている。この「渦巻く雲」は、後にレオナルド・ダ・ヴィンチも同じようなスケッチを残したことで有名である。また、独特の地面の描き方から、彼が「遠近法」を描く上で、ルネサンス時代のパイオニアの一人であったことを証明している。

しかし、背景の見事な遠近法に比べて、人物像は平面的だ。影も描かれておらず、すらりとした王女の姿にも悲劇性はなく、後期ゴシックの影響が感じられる。そのため、この作品は中世からルネサンスの時代の狭間に生まるべくして描かれた作品、とする研究者もいる。

パオロ・ウッチェッロは、同名の作品を、もう一つ残している。パリのジャックマール=アンドレ美術館に所蔵されているもう一枚は、推測ではロンドン・ナショナルギャラリーの作品よりもわずかにあとで描かれたものとされており、目をこらすと人物の足下に影のようなもの認められる。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家パオロ・ウッチェッロ
  • 作品名聖ゲオルギオスとドラゴン
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年1456年 - 1456年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ロンドン・ナショナルギャラリー (イギリス)
  • 種類テンペラ画
  • 高さ57cm
  • 横幅73cm
  • 更新日
  • 投稿日
  • 編集者
  • 聖ゲオルギオスとドラゴンの感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。