作品概要
《両腕を挙げるオダリスク》は、画家のアンリ・マティスによって制作された作品。制作年は1923年から1923年で、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートに所蔵されている。

二度の世界大戦を経験
マティスが生きている間、大きな戦争が二度勃発している。第一次世界大戦と第二次世界大戦である。
二度の大戦を経験し、彼の制作スタイルは劇的な変化をし続けた。それは彼の画家人生の進化に繋がったとも言えよう。
したがって、彼の描く裸婦像にも、幅広い様々な種類のものがある。
モロッコの旅に影響を受ける
彼が描いたオダリスク絵画は、モロッコの旅路に影響を受けて制作された。
彼のオダリスク絵画に出てくるモデルの女性はほとんどは、当時のマティスの主要モデルである。なお、オダリスクとは、ハーレムの女奴隷を意味する言葉。
作品の魅力
この作品の中で、女性は緑と黄色のストライプ柄の肘掛け椅子に腰かけている。キャンバスの大部分は、彼女の身体とその椅子。随所に描かれている幾何学的な形や物の意匠により、見るものは一瞬視線を惑わされる。しかしながら、女性が醸し出す心地よい雰囲気に、その視線は、また女性にと向けられる仕組みだ。
彼女は、ほぼ裸で、腰から下には透き通った薄い織物を身に付けている。その織物は裾に金が施されているハーレムのズボンである。彼女の下半身を足元まで覆い、さらに床についている。
彼女の示唆的なポーズと身体の湾曲が印象的な作品であり、これにより性的なイメージが強く表現されていると言えよう。
彼女の胸は丸みを帯びており理想的と言える。しかし、彼女の腕の下には毛が見え、身体全体が理想的とは言えず、これが当時の批評家たちの中傷の的となった。
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