作品概要
《画家とモデル》は、画家のアンリ・マティスによって制作された作品。制作年は1916年から1917年で、国立近代美術館に所蔵されている。

《画家とモデル》は、1916年後半から1917年初旬頃にアンリ・マティスによって描かれた油彩画。現在はパリのポンピドゥー・センター国立近代美術館にて展示されている。
描かれたふたりの人物
この作品は、シテ島やサン・ミッシェル橋を臨むアトリエで制作された作品集の一つ。マティスは自身の作品 「緑のローブを着たローレット」を制作している自分自身の姿を描いている。
また、ピンク色の肘掛け椅子に腰かけているのはローレット。アトリエの暗い壁を背景に、輪郭を浮かび上がらせている。
明らかにされた制作年
国立近代美術館が作品を取得した1945年、マティスはこの作品を1917年に制作したものとした。しかし、現在はメトロポリタン美術に所蔵されている「緑のローブを着たローレット」には1916年と記されている。このことから、1916年後半の同じ時期に、これら2作品は制作されたと推測することができる。
パリのワークショップ用に描かれた3部作中の3作品目、サン・ミッシェル橋の景色を描く「サン・ミッシェル河岸のアトリエ」も1916年の作品とされているが、加えて、芸術歴史学者のジャック・フラムは1916年の重要作品のうちの2作品「川にたたずむ女たち(Les Demoiselles à la rivière )」「モロッコ人たち」とこの作品の色彩、黒色の比率と構成の類似性を強調している。
これらの論拠より、この作品は1916年後半にマティスによって描かれ、1917年初旬に完成したと結論づけられている。
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