作品概要
《一日の四節:昼》は、画家のウィリアム・ホガースによって制作された作品。制作年は1738年から1738年で、大英博物館に所蔵されている。

《一日の四節》は、1738年にウィリアム・ホガースが自己の絵画を元に版画として作成した四枚組の作品である。本シリーズでホガースは、一日の流れに合わせ、ロンドンの多様な場所における日常を切り取って描いた。
二枚目の《昼》では、場所がウェスト・エンドの聖ジャイルズ教会の側にあったスラム街、ホッグ通りに移っている。
主題
版画の右側に描かれるのはフランスから逃れてきた新教徒(ユグノー)達であり、家族で賑やかにしているところが描かれている。腐敗した猫の死体には石が投げつけられた跡があり、本来は道の横に穿たれているはずの側溝に横たわっている。この溝が、象徴的にユグノーとロンドンっ子らの分断を示している。
絵の中の大人たちは伝統的な装いに身を包んでいるが、子供たちは流行りの服装で描かれている。
左手奥では、黒人男性が仕事中の女性の胸を撫で回している。この黒人男性の身分ははっきりとはわからないが、18世紀中頃にはかなりの数の解放黒人がロンドンにいたという記録があり、ホガースはそれを残したかったのであろう。
パイ屋の看板に描かれた皿には、「良き食事」、すなわち「洗礼の聖体拝領」を暗示する洗礼者ヨハネの首が乗っかっている。
その一方で、窓のそばの看板には、当時の男性が「理想の女性」として思い描いていた「頭のない女性」が描かれている。この絵に対比するかのように、喧嘩をしている女性が骨付き肉を窓の外に投げ捨てようとしている。
また、ロナルド・ポールソンによれば、教会から下がる凧は三位一体の象徴であるという。
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