作品概要
《村の結婚》は、画家のヤン・ステーンによって制作された作品。制作年は1653年から1653年で、ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている。

本作は、彼にとってかなり初期の時期に制作されたものである。しかし、作品中に描かれている人物たちは、一人ひとりに生き生きとしたキャラクターが吹き込まれており、このときすでにヤン・ステーンは稀有な才能に恵まれたアーティストであったことがよくわかる作品である。
舞台は結婚式
本作は、ある中庭で執り行われている、結婚式のワンシーンを描いたものである。
ヤン・ステーンは800にも及ぶ多くの作品を残したことで知られているが、その多くは日常生活を描いた風俗画である。その中でも結婚というテーマを扱っている作品は、実に50作品にのぼっている。
作品の特徴
花婿は、今まさに階下に立たずむ花嫁を迎えにいこうと、階段を降りているところである。
一般的に考えればおめでたい場面であるはずだが、参列者たちはカップルを祝福しているというよりも、どちらかというと批判じみた目で見つめていたり、馬鹿にしていたり、あきれたような目で見ているようである。
このことから、いままさに結婚しようとしている女性は、おそらく純潔ではない、ということが推測できるのである。
ヤン・ステーンは本作で、当時の中流階級の一般的モラルから考えれば逸を脱している望ましくない結婚を、彼独自の目線で描きたかったようである。
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