作品概要
《男女》は、画家のジャクソン・ポロックによって制作された作品。制作年は1942年から1943年で、フィラデルフィア美術館に所蔵されている。

《男女》は、画家ジャクソン・ポロックにより1942年から1943年に掛けて制作された。
絵画療法の図像
作品は、絵画療法として描かれたといわれる。この頃、ポロックはアルコール依存症の治療として、ユング派精神分析や絵画療法を受けていた。
作品では、鮮やかな色遣いにて男女が描かれている。キャンバス右側に男性、左側に女性が、シュルレアリスム(超現実主義)やキュビズムにより表現されている。男女の描写は、ジョアン・ミロとパブロ・ピカソの影響を受けている。男性は黒色で円柱の形状にて表現され、円柱には計算式が書かれている。
女性は立ち姿であり、曲線により表現されている。長い睫毛の目を見開き、小さな三角形の足で立っている。男女の間には、子供と思われる姿が描写されている。胴体には、三角形が3つ描かれている。
ドリッピングの誕生
合わせて、ポロックは、男性特有、女性特有の活力を際立たせる為、男女を取り囲むように顔料を塗り付け、飛び散らせている。この描き方は、1947年以降に「ドリッピング」(塗料を撒き散らして滴らせる技法)として確立された。
また、1943年11月、作品は、ペギー・グッゲンハイムの画廊「アート・オブ・ディス・ センチュリー」(アメリカ・ニューヨーク州)にて開催された自身初となる個展で他作品と共に公開された。
現在、《男女》はフィラデルフィア美術館(アメリカ・ペンシルベニア州)にて展示されている。
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